太陽光パネルの断熱効果
あまり知られていないのですが、太陽光発電システムの大きなメリットの一つに断熱効果があります。
ソーラーパネルが屋根に設置されることによって断熱効果を発揮し、夏は屋根への直射日光を遮ってより涼しく、冬は外部への放熱を抑えてより暖かく過ごせるようになるのです。
断熱なしの屋根と、断熱ありの屋根にそれぞれ太陽光パネルを設置して、パネルによる日射遮蔽(しゃへい)効果について実験した環境省のデータがあります。
【実験1】
天井に断熱材を入れていない倉庫の屋根に太陽光パネルを設置した場合について、外気温と、室内の天井面の温度を測定したデータ
【実験2】
天井に断熱材を入れている倉庫の屋根に太陽光パネルを設置した場合について、外気温と、天井面の温度を測定したデータ
結果は、【実験1】無断熱では、午後1時に外気温が36.4度になったとき、「パネル無(パネルが載っていない部分)」の天井面の温度は56.5度で、外気温に比べて約20度も高くなっていることがわかります。
また、同時刻の「パネル下(パネルが載っている部分)」の天井面の温度は47.1度で、外気温の36.4度よりは約10度高くなっていますが、「パネル無」の56.5度より10度ほど抑えられていることがわかります。
一方、同時刻の【実験2】断熱有の天井面の温度は、屋根上の太陽光パネルの日射遮蔽(しゃへい)効果と天井の断熱材の効果によって35.5度に抑えられ、外気温の36.4度より0.9度低いことがわかります。
結論として、天井の断熱材と屋根上の太陽光パネルをどちらも設置しない場合、室内の天井面の温度は、真夏の昼間には外気温より20度も高くなることがあるとわかりました。
また、天井の断熱材がなくても、屋根上の太陽光パネルの設置があれば、日射遮蔽効果によって、天井面の温度上昇を抑えられることや、断熱材と太陽光パネルの両方を組み合わせれば、さらに住まいの快適性をアップできることがわかりました。
このように、太陽光発電システムには遮熱効果や放射冷却防止効果が期待できます。
そのため、太陽光発電システムを屋根に設置していると、していない場合に比べてエアコンの設定温度を高く(または低く)設定できるので、電気代の節約につながりCO2削減にも貢献できるのです。
自然からの大きな恵み「太陽光」
深刻な地球温暖化を防ぐために一人一人の取り組みが求められる中、できることから新しいライフスタイルを始めてみませんか?
断熱効果を高めながら電気料金を抑え、さらには非常用電源としても活躍。
太陽光発電の様々な可能性で快適な生活を実現してはいかがでしょうか。